5.ポーラログラフによる缶詰の研究(第2報)
低錫半田使用缶詰における鉛について

低錫半田を使用して製造されたサニタリー缶を用いて製造された米国製パイナップルジュース缶詰において、ポーラログラフ分析を実施したが、鉛は全く検出されなかった。即ち缶詰用缶の製造において半田成分は、「外部の半田及び半田受の半田付用半田は50%以上の鉛を含んではいけない」と法規に定められているが、現在のサニタリー缶においては、高度に機械化された精密なる製缶技術により半田面の内容物に対する露出面積の些細なる事及び化学的に、よりイオン化傾向の高い鉄及び錫を材料として製造されている故、鉛の溶出は理論的にも、実際ポーラログラフ分析を行った結果においても検出し得なかった。

著者
小田 久三
出典
東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,50-54(1954)

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