缶詰用の黄肉桃の栽培に当たって、最も栽培者の苦しめられるのは、害虫防除茹の問題である。この害虫を如何にして防いだら良いか、それには袋掛けより他に良い方法がないので、その紙袋の紙質及び塗布剤について試験を行った。
1.袋掛後収穫まで風雨の為に破損し落果の原因ともなったものはハトロン紙で薄いほど顕著であり、塗布剤の効果も少なかった。
2.厚手のハトロン紙は破損が少ないが、袋掛けに際し束縛が困難で不完全になり落果が多い。
3.新聞紙は長期間では穴が開き袋掛けの目的を果たさないが、塗布剤を使用したものは充分に長期間保ち得た。
4.日焼けはパラピイン紙が最も甚だしく、ハトロン紙に油引きのものに次ぎ新聞紙使用のものが最も日焼けは少なかった。
- 著者
- 黛 乙郎
- 出典
- 東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,85-89(1954)