缶詰ジュースの発展の為には、ビタミンCの強化など栄養価の顕揚と同時に価格を安く出来る方向に持って行かねばならぬと考える。その意味で缶詰工場のハネ物である屑みかんを利用し、5ガロン缶果汁から再製缶詰を計画し、或いは原始的搾汁法や原始的殺菌法を採用したりして、缶詰工場の現在の設備で簡単に製造でき、しかも冷凍貯蔵など面倒をせず何処でも保管しうる幼稚なみかんジュースの缶詰について検討して見た。又みかんジュースの缶詰よりも、シラップ漬けみかん缶詰を今流行のジュースミキサーで潰して飲用した方が一般に受けるという向きもあるので、その方面からみかん缶詰をジュース用原料とし、ビタミンCの強化、エッセンスの添加等の検討を行った。
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- 著者
- 澤山 善二郎、安田 喜美子、長渡 和子
- 出典
- 東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,90-102(1954)