13.ポーラログラフに依る缶詰の研究(第5報)
再びグリンピース缶詰における含有銅量について

昭和29年度及び昭和30年度のグリンピース缶詰製品中の含有銅量を測定した。昭和29年度製は含有銅量の点より好ましくないグリンピース缶詰であったが昭和30年製では改善されていた。

グリンピース製造処方として水1石、豆10貫、銅塩50〜100g、ボイル時間10分、水洗6時間流水を推奨する。

グリンピースの色調と含有銅量の関係は、銅濃度100p.p.m.の附近においては明確な相関性はない。

ヒ素中毒事件を省み、缶詰食品においても膨脹缶といった細菌学的な注意と同等以上に化学的方面に留意され使用銅塩の規格(JIS規格)及びグリンピース製品中の含有銅量に今迄以上に注意しなければならない。

著者
小田 久三
出典
東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,106-111(1956)

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