16.缶詰鯨肉内におけるF抗原の有無について

缶詰に製造された鯨肉は牛肉と素人目には殆ど判別つかない様になった。従って馬肉と同様牛肉缶詰に混合される危険性が強くなったので缶詰鯨肉中にF抗原の有無を検し、鯨がモルモット型(F抗原を有する動物)の動物であるか、又は家兎型(F抗原を有せざる動物)であるかを、血清学的に判定して、缶詰牛肉内に混合された鯨肉検出の可能性があるかないかを試験した。試料は市販の鯨肉を購入し、大和煮缶詰に製造したものである。

鯨肉は馬肉と同様にF抗原を有するモルモット型の動物の肉に属することが明かになった。従って鯨肉を缶詰牛肉中に混合するときは馬肉と同様に血清学的に判別し得る事が確実になった。

著者
岡屋 忠治、岩本 喜伴、宮田 晶子
出典
東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,129-130(1956)

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