既報(中尾ら,1998)にて,混合茶飲料缶詰Gが,高温保存した混合茶飲料缶詰から分離したB. stearothermophilus BLTに対する抗菌活性を有することを報告した．本報において,混合茶飲料缶詰Gの分離菌BLTに対する抗菌作用に,混合茶成分,pHおよび栄養条件が及ぼす影響を,モデル実験を行い,解析した．

その結果,混合茶成分が抗菌作用を有することを見出した．更に,抗菌作用はpolyvinylpolypyrrolidoneに吸着される抗菌活性物質によることを推定した．一方,pHの低下は,静菌作用を有し,また,抗菌作用に対する副次的な影響を与え得るが,抗菌作用は有さないことが判明した．また,栄養条件の低下は,副次的な抗菌作用のみ検出され,抗菌作用に及ぼす影響は低いことが推定された．

以上より,混合茶飲料缶詰Gの抗菌作用は,混合茶成分に含まれる抗菌活性物質に強く依存することを推定した．