2.缶詰米飯の硬化と膨潤度の変化

加湿しないで喫食の出来る缶詰米飯を検討している。現在行なわれている米飯缶詰は多少の相違はあっても比較的短時間の間に硬化する。即ち炊飯当時の桑軟性、粘着性及び弾性の諸性質を消失して硬化し、脆くなり、飯粒に圧力加えて圧潰すると白化して崩壊する。

また炊飯当時の様な旨味が減退する。このような変化は缶詰の保存される外圏の温度の支配を受け、低温においては変化が迅速である。我々は米飯缶詰の貯蔵中における変化を追求する方法として、飯のアルコール脱水粉末の膨潤度と飯の抗圧潰力に着目し、実験を行った結果を報告する。

著者
志賀 岩雄、澤山 善二郎
出典
東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,1,9-16(1950)