鶉卵はその好ましい風味、形体及びその栄養価値からして和洋、中華の諸料理において珍重されているが、その産卵に季節的制約があるため、その最盛の産卵期において、保存処理を施し、終年に亘って需要を充すと共に、また海外市場に輸出して外貨獲得と、併せてウズラ飼育を通じて我国農山村の経済的内容向上の一端に役立てたい念願のもとにこの試験を実施した。
鶉卵は比較約長期に亘って変敗する事なしに、貯蔵出来るが、水分の消失に伴って、目減を生じ、所謂浮玉となって卵形を変ずる様になる。勿論中には変敗するものも生ずる。そこで筆者等は鶉卵の卵殻を去って缶詰にする事を試み、或程度の成果を得たので報告する。
- 著者
- 高碕 達之助、志賀 岩雄、木村 圭一
- 出典
- 東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,3,1-9(1954)