食品の劣化に関係の深い酸化酵素に対する高圧処理の影響を調べ,加熱処理の影響と比較した.酸化酵素は市販品を用いた.グルコースオキシダーゼとアスコルビン酸オキシダーゼは20℃,400-600MPaで失活し,加熱失活と同様に一次反応に従った.スーパーオキサイドディスムターゼは700MPa,数十分の処理でも失活せず,耐熱性も強かった.一般に耐熱性の強い酵素は,耐圧性も強いが,チロシナーゼは耐熱性は弱いが,耐圧性はスーパーオキサイドディスムターゼと同程度であった.食品の劣化に関与する酸化酵素の失活において高圧処理は加熱処理に比べて不利であった.
- 著者
- 青山 好男、朝賀 昌志、中西 律子
- 出典
- 東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,20,105-107(1994)