食品製造工場では,コーヒーや茶類の抽出カスの処理が大きな問題である.大量に発生する抽出カスは水分が高く,発生現場で処理することが重要である.2次的な廃棄物の発生がないこと,多方面の用途,大幅な減量化などの理由から乾燥,炭化が最も有効な対策と考えられる.コーヒーカスの炭化試験を行い,炭化物の諸性質を木炭と比較した.ホウレンソウの栽培試験や排水の浄化試験を行い,土壌改良剤や浄水剤への利用を検討した.乾燥には膨大な熱エネルギーを要するが,炭化の際に発生する余熱を乾燥工程に利用することにより,経済的な乾燥が可能である.炭化コストの算出などの経済性評価を行い,炭化処理の実用性を検討した.
- 著者
- 青山 好男、朝賀 昌志、中西 律子
- 出典
- 東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,20,137-147(1994)