15.大型容器詰めイチゴジュースの高圧処理による製造

現在,イチゴジュースは2号缶でホットパック製造されている.しかしホットパック後の冷却に長時間を要しており,その品質はかなり劣化している.高圧処理(20℃,400MPa 10分)を行ったところ,優れた品質のものが得られた.圧力は熱に比べて伝達性が優れており,高圧処理の加熱に対する優位性は容器が大きいほど顕著である.業務用を目指した大型プラスチック容器での高圧処理試験においても,品質の優れたイチゴジュースを製造できた.高圧処理品は冷蔵3ヵ月までの保存試験で,良好な品質を保持していた.高圧処理イチゴジュースに酵母やカビは検出されず,変敗も発生しなかった.

著者
青山 好男、朝賀 昌志、中西 律子
出典
東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,20,119-125(1994)

刊行一覧