茶及び紅茶飲料及びココア調製品中のカフェインの定量法については,ガスクロマトグラフ法及び高速液体クロマトグラフ(HPLC)法を用いた多くの研究報告があるが,ミルク入り紅茶飲料缶詰中のカフェインの定量についての報告は見あたらない.そこで乳成分の共存がカフェインの定量値に及ぼす影響を調べ,HPLC法によるミルク入り紅茶飲料缶詰中のカフェインの定量法を検討した.分析試料をアセトニトリルで希釈後,カフェインをC18逆相カラムを用いて2相グラジエント溶出し,280nmでUV検出した.その結果,ミルク紅茶試料のカフェイン回収率は,加熱殺菌処理(121℃,6分間)したものとしないものとの間に有意差がなく,93.8〜104.1%の範囲であり,本法が市販ミルク入り紅茶飲料缶詰中のカフェイン定量法として利用し得るものと認められた.
- 著者
- 隅谷 栄伸、末兼 幸子、中谷 文、達家 清明
- 出典
- 東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,20,149-153(1994)