Byssochlamys属のカビ2株(BYS-1,BYS-2)を使用してミカンシラップ漬缶詰をモデルとした場合のByssochlamysの挙動を調査し,さらに生育を抑制する条件について検討した.
BYS-1,BYS-2ともに生育に伴い二酸化炭素を産生したがその量は大きく異なり,BYS-2はより多く,30℃40日間で45.2%に達した.
低酸素濃度下での生育可能性については,接種した試料を5℃で保存し,ヘッドスペースの酸素を消費させた試料を用いて検討した.BYS-2では酸素濃度が0.74%に低下した試料においても60%が変敗した.
一方,BYS-2では初期菌数が4.5CFU/缶の試料でも100%が変敗し, Byssochlamysはその耐熱性や低酸素濃度での生育性に加え,初期菌数がかなり少なくても生育し,変敗に至ることも示された.
- 著者
- 遠田 昌人、池上 義昭、松井 智江、中川 薫
- 出典
- 東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,20,169-174(1994)