2020年度研究助成 (2021年度研究実施)
サルコペニア予防に有効な手段として,筋タンパク質合成を高めるタンパク質の摂取やアミノ酸サプリメントなどが推奨されている.一方,近年ではタンパク質合成だけでなく,タンパク質分解の維持も骨格筋量を保つために重要な役割を担っていると考えられている.そこで本研究では,計画的に筋タンパク質分解を促す間欠的低タンパク質食の摂取が高齢期の骨格筋機能に及ぼす影響を検討した.19ヶ月齢のC57BL/6 雄性マウスを普通食(CON)群と間欠的タンパク質制限食(IPR)群の2群に分け,IPR 群には間欠的に(1週間に1度)低タンパク質食を摂取させた.5か月間の飼育終了後,運動負荷試験を行い,各種臓器を摘出した.体重や体組成,前肢筋力,筋重量には群間で有意な差は認められなかった.一方,筋損傷の指標である中心核をもつ筋細胞の割合は,CON 群と比較してIPR 群で有意に低値であった.これらの結果から,高齢期における間欠的な低タンパク質食摂取は筋重量や機能を向上させないものの,中心核の出現割合を低下させる可能性が示唆された.
- 所属
- 滋賀県立大学 人間文化学部
- 著者
- 東田 一彦
- 出典
- 東洋食品研究所 研究報告書, 34, 255-256 (2022)