食品の殺菌条件最適化手法に関する研究

安全性を担保しながら、美味しさ等の品質を最大化する加熱殺菌条件をシミュレートする計算方法について検討している。雰囲気温度と中心品温の関係を求める方法としてATS法を採用し、予測精度の検証を行っている。5種類の容器、4内容物で検証した結果、殺菌工程から冷却工程に移行するタイミングをその時点のF0値と規定すると、予測した殺菌値は実測の5%以内におおむね収まることが判った。全工程時間は予測値との誤差が大きい場合があった。
品質に関与する温度分布については、雰囲気温度を経時的に変化させ内部温度分布を計算した。カップの内容品の形状で数種類の形状について、雰囲気温度パターンや熱伝導率を変えて温度分布を計算した結果は予想していた温度分布とおおむね一致した。計算で得られる殺菌値をATS法で精度良く予測できたため、ATS法は非定常熱伝導方程式と相性が良いことが示唆された。

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