十分に加熱されるレトルト殺菌においても肉の中心部が赤い場合があり、加熱不足ではないかと消費者の誤解・不安を招くことがあり、長年の課題とされている。本テーマは、赤色化のメカニズムを解明し、その対策方法を提案することを目的としている。種々条件で作成した肉団子の経時試験から、赤色化にpHは無関係であること、赤色部はFe2+、周囲の非赤色部はFe3+の割合が高いことを確認し、赤色化はヘム鉄の酸化還元反応が主要因であることが推察された。また、酸化還元電位の測定結果もこれを支持する結果であった。赤色部および非赤色部から抽出した筋漿タンパク質で耐熱性を示す未変性のミオグロビンの存在を確認したが、未変性のミオグロビンと赤色化の関係については今後の検討課題である。