日本農芸化学会2025年度札幌大会で発表します。
プロテアーゼ反応条件の違いによる大豆タンパク質加水分解物由来肉様フレーバーの香気変動
講演番号:2D028
○西村 耕作、阿部 竜也
大豆タンパク質のプロテアーゼ加水分解物 (SPHs) にシステイン/リボースを添加して加熱し、メイラード反応物 (MRPs) を調製した。SPHs調製時のプロテアーゼ反応条件によって、MRPsの揮発性成分組成が変動することを確認した。本研究により、MRPsの香気を制御し、理想的なフレーバーを産生できる可能性が示された。
発表日:2025年3月5日(水) 14:15~15:15 (ポスター発表コアタイム)
代謝反応を利用した5-シアノ-2,3-ジトリル-2H-テトラゾリウムクロリド (CTC) による細菌検出
講演番号:2D085
○河合 総一郎、中野 みよ
食品変敗菌の代謝反応を指標とした新たな検出法を開発した。
本手法は食品生産・加工現場における芽胞形成菌の検査期間の判断に役立つとともに、従来法と比較して短時間かつ簡便に細菌の生菌率を評価できることを明らかにした。
発表日:2025年3月5日(水) 13:15~14:15 (ポスター発表コアタイム)
水産缶詰製品中の2-オキソ-イミダゾールジペプチドの含有量と保存性
講演番号:2D086
○隅谷 栄伸1、沖浦 文1、甲木 孝弘1,2、小前 奏明2、笠松 真吾2、井田 智章3、居原 秀2
(1公益財団法人東洋食品研究所、2大阪公立大学大学院 理学研究科 生物化学専攻、3大阪公立大学研究推進機構)
イミダゾールジペプチドよりも抗酸化活性が高い2-オキソ-イミダゾールジペプチドの水産缶詰中の含有量や保存中の安定性を調査している。今回、各種水産缶詰中の含有量と、ツナ缶をモデルに保存性を調査した結果を報告する。
発表日:2025年3月5日(水) 14:15~15:15 (ポスター発表コアタイム)
白麹菌を用いた麦茶粕発酵物の風味向上に関する検討
講演番号:2E134
折居 千賀
麦茶粕発酵物の風味向上を目的とし、グルコースおよびクエン酸量の経時変化を調べた。また、麦茶粕発酵物のにおい分析を行った。酸味の強さと甘味に寄与するグルコース量を重視し、発酵期間は2日あるいは3日が適当であるとした。また、麦茶粕発酵物のにおい成分としてジメチルジスルフィド、ジメチルトリスルフィドを同定した。
発表日:2025年3月5日(水) 14:15~15:15 (ポスター発表コアタイム)
市販缶ワインのGC-MS分析法による経時変化調査
講演番号:3D004
藤川 卓哉
大容量ヘッドスペース法GC-MS分析を用いて市販海外缶ワイン (白) を調べた結果、硫化水素の発生は初期経時区のみであり、長期保管品では検出されなかった。
長期保管時の缶ワインのオフフレーバー物質は硫化水素そのものではないと考えられた。
発表日:2025年3月6日(木) 14:15~15:15 (ポスター発表コアタイム)
加熱に伴うエビの物性変化の評価
講演番号:3D017
○梅谷華奈、井上竜一
加熱に伴いエビの硬さと弾力性は増加するが、さらに加熱が進むと弾力性は低下した。熱変性に伴うタンパク質の保水性の低下が物性変化の要因の1つである可能性が考えられた。
発表日:2025年3月6日(木) 13:15~14:15 (ポスター発表コアタイム)
レトルト殺菌に伴う昆布だし中の風味成分の変化
講演番号:3D018
○湯浅 佳奈、笹井 実佐
レトルト殺菌を施した昆布だしは、官能評価において風味の変化が確認された。そこで、LC-MS/MS による呈味成分および固相マイクロ抽出法を用いた GC-O/FPD/MS によるヘッドスペース中の香気成分を分析した。呈味成分に変化はなかったが、香気成分では多変量解析によりレトルト後に増加する2つの成分を同定した。
発表日:2025年3月6日(木) 14:15~15:15 (ポスター発表コアタイム)
ゴボウの硬さに関与する多糖の調査
講演番号:3D020
○井上 竜一、梅谷 華奈
難抽出多糖の抽出条件を検討した上で、ゴボウの加熱軟化と関連性の高いペクチンを調べた結果、ラムノガラクツロナンI、IIの関与が示唆された。
発表日:2025年3月6日(木) 14:15~15:15 (ポスター発表コアタイム)
シラスプロテアーゼ分解物由来ペプチドのアルツハイマー病モデルマウスへの投与効果
講演番号:4D096
○甲木 孝弘1,2、隅谷 栄伸1、金野 文香2、井田 智章3、笠松 真吾2、居原 秀2
(1公益財団法人東洋食品研究所、2大阪公立大学大学院 理学研究科 生物化学専攻、3大阪公立大学研究推進機構)
シラスプロテアーゼ分解物のβ-セクレターゼ阻害画分をアルツハイマー病モデルマウスに投与した結果、大脳皮質中のアミロイドβ (Aβ) の蓄積が有意に抑制された。その画分に含まれる6種のペプチドについて、合成品を調製し、投与試験を実施した結果、一部のペプチドで Aβの蓄積が抑制される傾向が認められた。
発表日:2025年3月7日(金) 14:15~15:15
イチジク茶苦味成分の探索と同定
講演番号:5D060
阿部 竜也
ヒト苦味受容体発現細胞を用いてイチジク茶に含まれる苦味成分を探索したところ、プソラレノシド (PO) を見出した。POは、味センサーにおいても苦味を示した。また、POの含有量が異なる品種を原料とした茶液の苦味評価では、POが少ない品種の苦味が有意に低かった。これらの結果から、POはイチジク茶の苦味に寄与することが示唆された。
発表日:2025年3月8日(土) 14:15~15:15 (ポスター発表コアタイム)