4.缶詰米飯の硬化防止法に関する研究

筆者等は、これまで飯の硬化防止法の研究において、缶詰米飯の硬化過程を定量的に把握する方法、並びに缶詰飯の硬化現象に対する含水量の影響について研究し、含水量76%付近が硬化を停滞させることを突き止め報告した。

本報では種々の化合物を缶詰に添加した場合の硬化阻止作用や効果について報告する。

フォルムアルデヒドの様な低級アルデヒド類が顕著な効果阻止作用を有しているが、アルドースにはこの作用はなかった。また離液順列と硬化防止作用には密接な関係があり、KCNS,KI,KCL(NaCL)の順で硬化阻止作用が大であった。酸類や保護コロイド類、グリセリンには効果が無かった。アルカリ化合物には有効な作用があるが、食味の点から応用の可能性はない。ソルビット、ジルビット、マンニットなどの高級な糖アルコール類には多少作用があった。

著者
志賀 岩雄、澤山 善二郎
出典
東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,1,21-28(1950)