15.缶詰成分に関する研究(第1報)
アスパラガス中のアミノ酸および有機酸の変化

缶詰食品は缶詰製造中または、貯蔵期間中に原料中の成分が変化し、味、香りが変化していることが多い。我々はアスパラガスを材料として選び、その新鮮原料中のアミノ酸及び有機酸につき調べてみた。

生および缶詰アスパラガス中のアミノ鼓および有機酸の分析を行なった。アミノ酸としては、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、ゼリン、スレオニン、アラニン、バリン、フェニルアラニン、ロイシン、プロリン、ヒスチジン、およびシスチンが認められた。また,アミドとして、グルタミン、アスパラギンが存在した。

生と缶詰アスパラガスの間の差異は、グルタミンが著しく減少し、プロリンはやや増加する傾向がある。有機酸としては、酢酸、コハク酸、フマール酸、ピログルタミン酸、リンゴ酸、クエン酸が存在し、さらに少量ではあるが、オキザロ酢酸、α-ケトグルタール酸、イソクエン酸の存在することが推定された。

著者
大塚 滋、岩本 喜伴、下田 吉夫、毛利 威徳、青山 延子
出典
東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,97-103(1963)

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