42.茸類の生化学的研究-Ⅵ
稲わらコンポスト中の炭水化物の変化

マッシュルーム栽培の各時期におけるコンポスト中の炭水化物の消長について検討して次の結果を得た。

稲わらに多量に含まれる炭水化物は堆積によって著しく減少し、またコンポスト中に見い出される遊離糖は稲わら多糖類の分解生成物であるキシロース、ガラクトース等で全栽培期間を通じて1%に過ぎなかった。このことからマッシュルームは多糖類を主な炭素源として利用していると推定した。

又炭素源の要求性に二段階あって菌糸の生育期には主としてヘミセルロースを消費するが、子実体の形成期にはセルロースを主要炭素源として分解利用するものと推定した。

著者
橋本 一哉、磯部 信昭、高橋 善次郎
出典
東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,354-358(1967)

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