- 渋皮の剥皮性が良好で,且つ加工適性を有するクリ品種を育成する目的で,剥皮困難な日本グリに剥皮容易な中国グリを交配し,雑種189樹を育成して,形質を調査した．
- 鬼皮を剥皮した果実に高圧洗浄器から水を噴射して,渋皮を剥皮した．
- 雑種の多くは剥皮率は比較的高かったが,甘露煮製品は硬く,割れやすい傾向にあった．
- 果実形質間の相関係数から,果実の比重と剥皮率,製品の割れ,硬さとの間には高い相関性が認められた．比重1.09以下の果実の甘露煮製品は割れにくく,比較的軟らかかった．
- 雑種は剥皮率と比重が高く,この形質は花粉親の中国グリと同じであった．
- 剥皮率80%以上の系統を比重に基づき,5つの群に分類し,第1群の比重1.09以下の4系統(No.62,No.96-2,No.160,No.211)を最優良系統とみなした．
- 著者
- 宮崎 正則、奥 正和、佐藤 宏、高橋 徹
- 出典
- 東洋食品工業短期大学・東洋食品研究所研究報告書,22,1-12,(1998)