魚貝類のエイコサペンタエン酸(EPA),ドコサヘキサエン酸(DHA)含量に対する保存条件,缶詰製造時の巻締真空度,漁獲時期,サイズ及び漁獲場所の影響について調べた.その結果は次の如くであった.
- 魚類を-26℃に冷凍保存すると,サバのEPA含量以外はいずれも保存3ヵ月までにEPA,DHA含量は著しく減少した.
- ソフト干し魚類のEPA,DHA含量は冷蔵保存してもあまり変わらなかった.
- 魚類缶詰を室温に長期間保存してもEPA,DHA含量はほとんど変わらなかった.また,添加したDHAの残存量は概して真空度が高いほうが多かった.
- 魚類のEPA,DHA含量はサイズよりも脂肪含量に左右され,脂肪含量が多いほうがEPA,DHA含量は多かった.
- 魚貝類のEPA,DHA含量は漁獲場所や漁獲時期によりかなり異なった.
- 著者
- 長田 博光、松元 麻有
- 出典
- 東洋食品工業短期大学・東洋食品研究所研究報告書,22,57-63,(1998)