農産缶詰食品をミキサーで細砕した粥状物について,まず一般呈味成分としての塩分、糖分、グルタミン酸、滴定酸度等を定量した。
食品の粥状試料にリポタイド(5′-リボヌクレオタイドナトリウムの商品名)を添加して、その旨味増強効果をしらべた。官能試験は約40人のパネルで行ない、2点嗜好試験法によって、5%水準で美味と感じる有意差を示すリボタイドの最少濃度は、たけのこについて0.005%、グリンピース0.04%、アスパラガス0.0125%、スイートコーン0.01%、マッシュルーム0.001%、にんじん0.025%、グリンビーンズ0.005%、トマトジュース0.005%と認められた。
なお順位法によって個々の食品について添加すべき最適の濃度が求められた。リボタイドの添加は旨味のみならず、食品本来の風味に対する影響もあるので、個々の食品についてそれぞれ検討を要することを述べた。
- 著者
- 橋田 度、毛利 威徳、青山 延子
- 出典
- 東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,34-40(1963)