呈味性5′-ヌクレオチド類によって缶詰食品の旨味を増強することを目標とし、まず農産原料および缶詰食品中に既存する遊離の5′-ヌクレオチド類を定量した。椎茸、マッシュルーム、トマト、アスパラガス、スイートコーン、グリーン・ピーンズ等を煮出し法によって抽出し、Dowex1-Ⅹ-8を使用するイオン交換クロマトグラフィにより分析した。
農産原料を通じて5′-AMPと5′-UMPが主要な成分で、5′-AMPは乾椎茸に大略0.1%,生マッシュルーム、トマト、スイートコーンには0.01%、アスパラガスに0.004%、グリーン・ピーンズに0.002%含まれており、かなり食品の旨味に寄与していると考えられる。さらに旨味の強い5′-GMP、5′一IMPほほとんど含まれていない。
- 著者
- 橋田 度、毛利 威徳、青山 延子
- 出典
- 東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,25-33(1963)