21.貝類缶詰の緑変に関する研究-Ⅷ
缶詰かきの緑変に対する製造条件並びに金属の影響について

缶詰かきの緑変に対して缶詰製造時の殺菌温度、殺菌時間、真空度ならびに液汁のpHの影響について、またマグネシウム、鉄、亜鉛および銅の影響について調べた結果、かきは90℃20分または110℃10分間の加熱で緑変するが、殺菌温度、殺菌時間および真空度の影響はほとんど認められなかった。

しかし,高温で長時間加熱すると緑変度合はほとんど変らないが、かきの色調は褐色を呈する傾向が認められた。一方、液汁のpHの影響については、pHが酸性の場合かきは緑変し、アルカリ性の場合褐変することが認められた。また、金属は多く添加しても緑変は増長することはなく、鉄を多く添加すると反対に褐変することが認められた。

著者
長田 博光
出典
東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,132-137(1971)

刊行一覧