水晒し中の筍組織中の遊離アミノ酸及び一般成分の変化については、まだ充分究明されていないので、私達は筍缶詰の品質改良を目的とする研究の一環として、遊離アミノ酸及び一般成分の変化について実験を行ったので報告する。
1.筍水晒し中の一般成分の変化は粗蛋白、炭水化物と灰分はやや減少するが粗脂肪は全く変化しなかった。
2.生筍中に遊離アミノ酸としてリジン、ヒスチジン、アルギニン、アスパラギン酸、スレオニン、セリン、グルタミン酸、プロリン、グリシン、アラニン、シスチン、パリン、メチオニン、イソロイシン、ロイシン、チロシン、フエニールアラニンの17種とアミドとしてグルタミン、アスパラギンの2種を認めた。
3.遊離アミノ酸は水晒しによりほとんどのものが減少するが、流水水晒しの方が静水水晒しより早く減少する。しかし、静水水晒しの場合で水晒し経過日数によって減少を示さないものもあった。
4.水晒しによりチロシンは減少するときもあるが、ほとんど変化しない場合もあった。
- 著者
- 森 大蔵、澤山 善二郎
- 出典
- 東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,151-155(1971)