冷凍食品の解凍に際してATPに由来するヌクレオチドの消長がみとめられた。すなわち、クルマエビではATPが著しく減少し、5′-AMP、5′-IMPが増加した。
マッシュームとシイタケでは35℃で2時間解凍すると、ATPが減少し、5′-AMPとADPが増加した。これらの変化の原因として食品自体から抽出したPMase画分について吟味した。
PMase活性は凍結中比較的安定に保有され、それを含む画分は標品ATPを分解して、ADP、5′-AMPあるいは5′-IMPを生成した。
解凍に際して細胞組織の破壊がおこり、PMase画分が作用しやすくなってヌクレオチドの変化が急速におこったと考えられる。
- 著者
- 毛利 威徳、橋田 度、志賀 岩雄
- 出典
- 東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,156-162(1971)