12.水産缶詰製造における廃液の利用に関する研究-Ⅱ
アサリ缶詰製造における煮汁の脱苦味

アサリ缶詰製造時に産出する煮汁を食品として利用するために,Brix37゜に調製したのち,その成分を調べ,カキ煮汁のそれと比較した.ついで,その苦味,塩味を除去するために透析を試みた.その結果,アサリ煮汁は蛋白質,炭水化物を多く含んでおり,カキ煮汁に比べても栄養価は劣らない.幅69mmの透析膜で2時間透折するとその苦味,塩味はかなり除去できる.用いる透肝膜の幅を狭くすると早く脱苦味できるが,アミノ酸の逸脱も多くなる.

著者
長田 博光、前淵 絹子
出典
東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,12,75-80(1976)