17.缶詰食品の衛生化学的研究-I
缶詰の開缶時に発生する缶切り屑についての2,3の検討成績について

市販缶切りを用いて缶詰を開缶したさい発生する缶切り屑について,これが人体に摂取された場合のモデルとして人工胃液による溶解性を調べたところ,約20%の溶解が認められた.ついで缶切り屑をシロネズミに強制経口投与したのち24時間後,または60日間飼育したのち解剖し,消化管内面を観察し,合わせて各消化管の総鉄量を測定した.消化管内面状態は異常を認めることができずまた総鉄量測定成績は対照群のシロネズミの消化管鉄量と差異は認められなかった.

著者
堀尾 嘉友
出典
東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,12,108-115(1976)