包装食品の中味を見ようとする要求から透明フィルムで包装した食品は数多くみられるが,透明フィルムは透過性(湿気,空気,光)により内容食品の変質が促進されるということは周知の通りである.
厚生省は透明パウチ包装食品の製造,販売の基準作りを検討していたが,これに関連して資料作成に協力した.
気体透過性の異なる数種の透明レトルトパウチを用いて精製サラダ油およびラードを包装し,室温暗所,40℃,90%RH暗所で保存した.これらと,油脂を含む包装食品の保存性についても検討を行なった.
結果は概ね包装材料の気体透過性の大きい順に酸化がすすみ,それは光や油脂食品の原料,製造方法によっても促進される.
- 著者
- 西郷 英昭、久延 義弘、門田 和子、鈴木 保治
- 出典
- 東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,13,18-25(1978)