4.酒粕の利用について

酒粕の成分及びベニザケ,コウイカならびにささ身の粕床漬込み中の成分の変化を調べた.また,粕漬にしたこれらをドライパック缶詰にし,その品質を調べた.

酒粕の成分はメーカーによって異なり,タンパク質は10.7〜13.9%,炭水化物は28.5〜32.0%,脂肪はほとんど含まれていなかった.遊離アミノ酸量は1.90〜3.46%,コハク酸量は23〜32mg/100g,グルコース量は13〜17%,エタノール量は6.7〜8.0%,核酸量は189〜418mg/100gであった.

ベニザケ粕漬の成分量は経時的に増加し,官能評価では7日漬込みが最良であった.コウイカ及びささ身粕漬の成分量は漬込み4日まで経時的に増加し,官能評価も4日漬込みが最良であった.

粕漬にしたベニザケ,コウイカ及びささ身の缶詰はフレーバー,味及びテクスチャーはいずれも良好であった.しかし,かなり褐変していた.

著者
長田 博光、朽木 由香子、川口 治良
出典
東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,20,27-34(1994)

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