果汁入り清涼飲料の嗜好性を左右する重要因子である糖酸比に着目し,市販飲料缶詰を調査するとともに果汁入り清涼飲料缶詰を試作し,糖酸比と嗜好性との関係について調べた.同時に,飲用温度が官能評価に及ぼす影響についても調べた.
市販のピーチ果汁入り飲料の糖酸比は比較的分布の幅が広く,グレープフルーツ果汁入り飲料の糖酸比は20〜25に集中していた.
試作のピーチ果汁入り飲料ではBrixにより好まれる糖酸比は異なっていたが,グレープフルーツ果汁入り飲料ではBrix5゜〜11゜の範囲においてBrixに係わらず糖酸比25〜30のものが最も好まれた.
飲用温度の上昇に伴い,両飲料ともに至適糖酸比が高くなる傾向を示した.
- 著者
- 末松 伸一、松田 良子、原 京子、久延 義弘、西郷 英昭、小松 美博
- 出典
- 東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,20,83-88(1994)