魚介類(キハダマグロ,モンゴウイカ,タコ,エビ)の切り身とスケソウダラすり身ゲルのテクスチャーに与える高圧処理の影響を検討した.
食塩水中で加圧処理したモンゴウイカを除き試験した全ての切り身は加圧および加熱処理により生に比べ破断応力が増大した.エビの切り身を食塩水中で加熱すると水中で加熱したものと比べ低くなり,加圧処理では逆に高くなった.その他の切り身では食塩水中での加圧と加熱処理によるテクスチャーの変化は逆であった.
スケソウダラすり身を加圧処理すると加熱処理よりもゼリー強度の大きいゲルが得られた.加熱殺菌によりゲルのテクスチャーは劣化したが,高圧による前処理は殺菌後のゲルのテクスチャー改善に有効であり,実用的には400MPaの圧力が最も良かった.
- 著者
- 朝賀 昌志、中西 律子、村井 恵子、青山 好男
- 出典
- 東洋食品工業短期大学・東洋食品研究所研究報告書,21,69-76,(1996)