5.PETボトル詰茶類飲料の製造工程における充填後の冷却挙動

90℃ホットパック仕様でのPETボトル詰茶類飲料の製造工程における充填後の冷却挙動を調べた.

冷却形態は液上層部ほど冷却が遅れる対流支配型であったが,水平方向の冷却特性には差がなく,液上下間の冷却特性値に約4倍の差を認めた.茶カテキン類は充填後直ちに冷却しても約2%減少し実際の製造では冷却に至る前工程の時間の影響で約5%減少した.さらに液上下間で約2%の差を生じるが,実用上問題となる変化ではなかった.シャワー冷却は水中冷却と比べても十分効率的な冷却法であった.またボトルの形状や容積の違い,さらには1.2%(v/v)程度のヘッドスペースの存在と満注充填を比較しても,冷却挙動やカテキン類残存率にほとんど差がなかった.

しかしヘッドスペース部の冷却は著しく速いので,ボトル横置きによるヘッドスペース部の加熱時間の確保が重要であった.

著者
久延 義弘、西郷 英昭、小松 美博
出典
東洋食品工業短期大学・東洋食品研究所研究報告書,21,37-47,(1996)

/ 缶詰時報, 74(7), (1995)

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