温州ミカンの砂じょうを,膜と液汁に分け,揮発性成分を減圧連続蒸留抽出法で捕集,濃縮しGC-MS分析で同定,定量した.テルペン系炭化水素類はその大部分が,パラフィン系ワックスは全成分が膜に存在した.テルペンアルコール類は液汁に存在した.アルデヒド類は,膜と液汁の両方に分かれて存在した.テルペン系炭化水素類が膜にパラフィン系ワックスと共存するため,ミカン缶詰の香気は長期間保持されると推察される.
- 著者
- 高橋 英史、隅谷 栄伸、稲田 有美子、森 大蔵、中野 長久
- 出典
- 東洋食品工業短期大学・東洋食品研究所研究報告書,24,109-114,(2002)