pHを酸性とした状態で加熱殺菌し冷却後,無菌的にアルカリ溶液でpHを元の値に戻し無菌充填する,分離殺菌法(SSA法)で容器詰煎茶飲料を製造する場合を想定し,殺菌および調合工程をシミュレーションして,煎茶飲料中の天然型カテキン類の変化を調べた.
- pHをL-アスコルビン酸で酸性とすることで,加熱殺菌中での天然型カテキン類の減少を防ぐことができた.
- SSA法では,加熱殺菌条件を変更しても,天然型カテキン類に影響を与えることはなく,渋み,苦みのバランスも崩れることはなかった.
- 現在市販されている如何なる容器詰煎茶飲料よりも,天然型カテキン類の残存率が高く,天然型カテキン類(天然型ポリフェノール類)の残存性を強調した製品の開発が可能となった.
- 著者
- 久延 義弘、中野 和子、末松 伸一
- 出典
- 東洋食品工業短期大学・東洋食品研究所研究報告書,24,143-156,(2002)