コンブは,ヨウ素のよき供給源であるが,揮発性ヨウ素化合物を同定した報告は見られない.マコンブ,リシリコンブ,ミツイシコンブを試料とし,ダイナミックヘッドスペースサンプリング法(DHS)と,減圧連続蒸留抽出法(減圧SDE)で揮発性成分を捕集しGC-MSで同定した.DHSでいずれのコンブからも1-iodopropane,2-iodopropane,1-iodopentane,1-iodooctaneが,減圧SDEではいずれからも1-iodopentaneと1-iodooctaneが揮発していることを確認した.GC-sniffingの結果1-iodooctaneのみ香調が確認され,乾燥コンブと海苔を合わせたような香調であった.マコンブにおける,1-iodooctaneのオーダーユニットの対数は2.2であることから,それは,コンブの香気に寄与する成分の一つと推察される.
- 著者
- 高橋 英史、隅谷 栄伸、稲田 有美子、森 大蔵
- 出典
- 東洋食品工業短期大学・東洋食品研究所研究報告書,24,131-142,(2002)
/ 日本食品科学工学会誌,49,4,228-237,(2002)