飲料缶詰製造時に排出される食品産業廃棄物であるコーヒー抽出かす(SCG)を主原料とした培地を用いてエリンギ栽培試験を進めている。この中でSCGの菌糸生長促進作用の利用と混合接種による方法でエリンギの栽培周期の短縮を研究している。現行栽培日数55~60日かかるところが混合接種によるSCG培地では25.2日と約半分の栽培日数に短縮できることがわかった。しかし、おがくず培地の混合接種についてはきのこ収量は少なく菌傘部に変形が発生した。SCG培地の混合接種は無菌的な雰囲気下で行う必要があり新たな費用は発生する。しかし、食品産業廃棄物の有効利用を図ることができエリンギ栽培周期の短縮ができれば早期出荷が可能となり、単純に生産量を倍増できるのでそのメリットは大きいと考えた。
- 著者
- 岡崎 由朗、加瀬谷 泰介、宮川 キミ枝、末松 伸一
- 出典
- 東洋食品工業短期大学・東洋食品研究所研究報告書,25,19-23,(2004)