無洗米の缶詰化において,脱酸素剤添付法と粉末ドライアイスガス置換法など,ガス置換方法の違いや,ガス置換の有無による無洗米の品質の差を,保存1年間における揮発性カルボニル化合物の挙動から調べた.
分析方法は,DNPHカートリッジにヘッドスペースの中の揮発性カルボニル化合物を捕集し,アセトニトリルで溶離したものをHPLCで測定した.
主成分のアセトアルデヒドは減少,異臭のアセトンは増加,悪臭のn-ヘキシルアルデヒドは一旦増加したのち減少傾向にあり,臭いのバランスとしてのアセトアルデヒド量に対するアセトン量の相対比は,ガス置換することで変化が少なくなる事を認めた.
また,いずれの変化も酸化反応が主体と考えられるので,反応を抑制するためには徹底した脱酸素処理が重要な因子となり,脱酸素剤の添付や粉末ドライアイスによるガス置換が無洗米の缶詰化には不可欠な技術であることを認めた.
- 著者
- 久延 義弘、中野 和子、末松 伸一
- 出典
- 東洋食品工業短期大学・東洋食品研究所研究報告書,25,65-72,(2004)