大型容器の静置レトルト殺菌では,殺菌・冷却に長時間を要する問題がある.この解決手段の一つとして,本報では,摺動レトルト(殺菌棚またはバスケットを前後または左右の水平方向に往復駆動させ,容器の内容物を強制的に振盪・撹拌させることを目的としたレトルト設備および方式)のパウチ詰製品に対する殺菌時間の短縮効果を検証し,品質面への影響について褐変モデル系にて検討した.
その結果,大型パウチにて顕著な殺菌時間の短縮が認められ,静置殺菌よりも品質が良く維持されることが示された.
- 著者
- 田辺 利裕、沖浦 文
- 出典
- 東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,27,47-51(2009)