第6回 研究成果発表会について (終了しました)
お陰様で多数の方に聴講いただきました。ありがとうございます。
(公財)東洋食品研究所は公益財団法人として、独自の研究に加え、食品分野で先駆的、独創的な研究を行う研究者を幅広く助成しています。本年も研究助成採択者の研究成果および当研究所の研究成果を皆様に聞いていただく機会として「研究成果発表会」を開催することと致しました。
本年も、集会とリアルタイム配信を併用したハイブリッド形式により実施いたします。なお、今後の状況によっては、集会を取りやめてウェビナーのみにせざるを得なくなることもあり得ます。悪しからずご了承ください。
集会と懇親会 (無料) により、講演者と聴講される方が直接に対話を深めることもできますし、ウェビナーの併用により、遠隔地の方も近郊の方も、より簡単にご参加いただけますので、多数の方のご応募を心よりお待ち申し上げております。
ご参加いただくためには、事前のお申し込みが必要です。
下記のボタンよりお申し込みください。
開催日
2024年10月11日(金) 10:00-16:00
方 式
下記会場における集会およびオンラインシステムによるリアルタイム映像配信の併用
会 場
千里ライフサイエンスセンタービル5階 山村雄一記念ライフホール
申込期限
対面集会:2024年10月3日(木)まで ・ ウェビナー:2024年10月09日(水)まで
参加料
研究成果発表会への参加、ウェビナーの視聴は無料です。ただし、必要な機材・通信費等はご負担ください。また、現地では発表会終了後、簡単な懇親会を開催いたします (無料)。
研究発表内容
1. 研究業務概要について
小暮 正人 ((公財)東洋食品研究所 研究部長) 10:15 ~ 10:40
東洋食品研究所の研究方針および現在実施している一部の研究テーマについて概略を説明する。併せて所外者設備利用制度など研究関連業務についても紹介する。
2.抗炎症作用を有するイチジク茶のNAFLDに対する効果
阿部 竜也 ((公財)東洋食品研究所 研究部 GL) 10:40 ~ 11:05
イチジク葉を原料とする茶液は抗炎症作用を有しアトピー性皮膚炎症状を改善する。その 際、肝機能マーカーの低下も確認されたため、新たな機能性として NAFLD の抑制効果を マウスで確認した。結果、イチジク茶の含有成分イソシャフトシドが炎症型マクロファージを抑制することで、肝炎症状を改善することが示唆された。
3.水産缶詰中の2-オキソ-イミダゾールジペプチドに関する研究
隅谷 栄伸 ((公財)東洋食品研究所 研究副部長) 11:05 ~ 11:30
マグロやカツオに含まれるイミダゾールジペプチド(IDPs)の酸化修飾体である 2-オキソ-IDPs は、IDPs よりも遥かに抗酸化活性が高く、その機能性が注目されている。そこで、ヒトの健康増進や水産缶詰業界の発展に寄与することを目的に、水産缶詰を題材に研究し得られた知見を報告する。
4.中性かつ高温高圧の亜臨界水処理によりアントシアニンが安定して抽出できる機構の解明
新名 世実 (大阪府立環境農林水産総合研究所 食と農の研究部) 11:30 ~ 11:55
本研究は、退色しやすいアントシアニンが亜臨界水処理という高温高圧下で安定して抽出できる機構、および抽出後に室温で発色が減衰した抽出液を冷凍すると発色が回復する温度依存性の現象の解明を目的とし、アントシアニンの一種であるナスニンを対象に、安定化に寄与していると考えられる会合体の形成を検証した。
5. 日本独自のブドウ根頭がんしゅ病耐性台木の育種
青木 是直 (山梨大学 生命環境学部・地域食物科学科 (ワイン科学研究センター)) 13:00 ~ 13:25
現存するブドウの台木は、ブドウ根頭がんしゅ病(病原菌Allorhizobium vitis)に対する耐性が低く、大きな問題となっている。本研究では、従来の台木品種と日本の野生ブドウ品種を掛け合わせることで、ブドウ根頭がんしゅ病に強い日本独自の台木の育種を目指した。
6. 励起蛍光マトリクスに基づくエダマメの糖組成および水分の迅速推定
斎藤 嘉人 (新潟大学 農学部) 13:25 ~ 13:50
エダマメの収穫適期は短く,ロスなく高品質なエダマメを生産するためには収穫適期の迅速かつ正確な推定が必要である。本研究では,微量物質に高感度な蛍光分光法に着目し,収穫日の異なるエダマメの莢の発する励起蛍光マトリクス(EEM)の測定を行い,エダマメ子実の水分含量と遊離糖含量の推定を行った。
7. 心不全発症に対するイミダゾールジペプチドの機能解析
砂川 陽一 (静岡県立大学 薬学部・分子病態学分野) 14:00 ~ 14:25
アンセリンやカルノシンに代表されるイミダゾールペプチドは渡り鳥や回遊魚の筋肉に豊富に含有している機能性成分である。本研究では、心不全発症に対するイミダゾールペプチドの機能について解析し、アンセリンのみが抗心筋肥大作用、圧負荷による心機能低下を抑制すること、アンセリンが心不全発症予防に効果を発揮する可能性を見出した。
8. 食後の酸化ストレス・抗酸化能力に対する体内時計制御機構の解明と抗酸化物質摂取の影響
高橋 将記 (東京工業大学 リベラルアーツ研究教育院) 14:25 ~ 14:50
本研究では、夕食時は朝食時と比較して抗酸化能力が低く、活性酸素と抗酸化防御機構のバランスが崩れやすい状態であることを明らかにした。また、植物性抗酸化物質のスルフォラファンの摂取は、夕食時の酸化ストレス指標に有意な影響を及ぼさず、継続摂取により食後の抗酸化作用を低下させる可能性が示唆された。
9. 未利用天然資源茶汁のアンチエイジング機能成分の探索
田中 直伸 (徳島大学 大学院医歯薬学研究部・薬学域) 15:00 ~ 15:25
徳島県の山間部で伝統的に製造される微生物発酵茶・阿波晩茶の発酵工程で生じる未利用天然資源「茶汁」の有効利用法の開発を目的として、「茶汁」に含有される成分、特に茶葉カテキンの代謝物の探索、およびそれらのアンチエイジングに資する生物活性の評価を実施した。
10. カフェインによる生活リズム夜型化のメカニズム
田原 優 (広島大学 医系科学研究科・公衆衛生学) 15:25 ~ 15:50
カフェインの摂取は、覚醒、心血管疾患予防、パフォーマンス向上といった様々な作用を示す。一方で、「健康づくりのための睡眠ガイド2023(厚生労働省)」にも記載がある通り、夕方以降のカフェイン摂取は体内時計の夜型化や睡眠の質低下をもたらす。本発表では、そのメカニズムに迫る。
お問い合わせ (フォーム)
公益財団法人 東洋食品研究所 事業推進部
TEL.072-740-3500 (9:00~17:00 土・日・祝 休業)
注意事項
本会は、会場での集会と同時にオンラインシステムを利用して配信します。ご視聴いただく方法は、別途メールにてご案内致します。講演の後、アンケートを実施いたしますので、ご感想・ご意見・ご質問等をお寄せください。次回以降に活かしてまいりたいと思います。
なお、本ウェビナーの録画・録音、動画URLの無断共有、チャットの不適切な使用、参加者の情報公開等は固く禁止させていただきます。ご協力のほどを、お願いいたします。