オカダ酸(OA)群を原因とする下痢性貝毒発生により二枚貝の出荷規制が行われ、経済的損失が発生している。そこで、二枚貝の毒化を制御し、出荷への影響を減らすことを目標に、OAの体内動態や蓄積機構の解明を進めている。2023年度はアサリの毒化モデル試験を行い、アサリにおけるOA群分布を調査した。結果、中腸腺とエラにOA群が蓄積することが明らかとなった。一方、細胞内でのOA群の代謝解明を目指し、二枚貝細胞の初代培養法の基礎技術の習得を進めている。基礎技術を習得し、中腸腺細胞の培養を行った結果、3種類の培養細胞が混在し、いずれの細胞も3日程度の培養が可能であった。