水産物の有機酸代謝、有機酸と鮮度との関係、有機酸と水産物の呈味との関係については充分知られていない。そこで今回著者はそれらを知る一段階として魚類、貝類、甲殻類の有機酸をシリカゲルクロマトグラフィー、ペーパークロマトグラフィーを用いて分離定量を行ったので、その結果を報告する。
1.魚類、貝類、甲殻類のうちハマグリ、カキ、サバ、イセエビ、クルマエビの6種類について有機酸をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより分離定量した。
2.上記6種類の水産物の有機酸としてプロピオン酸、酢酸、ピルピン酸、コハク酸、乳酸、ピログルタミン酸、シュー酸、リンゴ酸、クエン酸の存在を確認した。
3.これら有機酸のうちの大部分はコハク酸、乳酸であった。
- 著者
- 長田 博光
- 出典
- 東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,271-274(1965)