回転殺薗における熱伝達機構をみるため缶内の温度分布を測定した。その結果、低速回転の場合は缶壁部と缶中心部の温度差が大きく、缶内は余り動揺撹絆されず熱伝達速度も遅い。これに反し高速回転の場合はその差が小さく、温度が均一化し、熱伝達速度も早い。
したがって過熱によるフレーバー、色沢、栄養価等の低下を小さくし、しかも殺菌時間を短縮するので品質的に優れた製品を経済的に有利に造ることが出来る。 また、缶サイズや粘度の影響も、高速回転では余り認められない ので、大型缶でしかもある程度の粘度を持つ缶詰、例えばカレー、スイートコーン、コンデンスドスープのような缶詰において非常に有効である。
- 著者
- 池上 義明、岡屋 忠治、竹内 章子
- 出典
- 東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,8-14(1967)