硝酸塩による缶詰トマトジュースのスズ異常溶出という観点から、トマト果実中の硝酸塩の蓄積現象について検討を行なった。
1)トマト果実の硝酸塩蓄積現象について換討した。
2)トマトの茎、葉、果梗、へたには多量の硝酸塩が含まれているが、果実には少なかった。
3)窒素施肥量によって葉柄やへたの硝酸塩蓄積は影響を受けやすいが、果実では明白でなかった。
4)熟度の違いによって、果実とへたの硝酸塩含量に差があり、未熟果では硝酸還元能力が小さく、完熟果で大きいことが推察された。
5)Mo不足の培養液、栽培中時々窒素濃度を変化させた培養液で育てられた果実には硝酸塩を多く含む傾向があった。
- 著者
- 黛 乙郎、宮崎 正則、国里 進三、岩本 喜伴、美谷 誠一、石川 伸、木多 武雄、若狭 勝、藪内 一雄
- 出典
- 東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,43-49(1967)