現在N.C.A.でトマト果実中の硝酸塩簡易検定に使用されているDPA法と本報で提唱したDPB法を比較検討した結果、
1)DPB法はDPA法よりも6〜7倍鋭敏で硝酸性窒素標準溶液では1ppm以下から10ppmまで判定出来るが10ppm以上になると色調が濃くなって差異の判定はつけ難い。またトマトジュースでは有機物の存在のためBrowning現象が認められるにもかかわらず1ppmまで判定出来る。
2)トマト果実について、この方法による判定値と、m-Ⅹylenol法、Cdカラム法で定量した測定値とは、ほぼ同じ結果がえられた。
3)この方法は操作が非常に簡便で圃場、缶詰工場内で缶詰原料中の硝酸塩簡易検定の常用法として充分使用出来る。
- 著者
- 岩本 喜伴、宮崎 正則、国里 進三、前田琇子
- 出典
- 東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,50-53(1967)