26.食品中の核酸成分に関する研究-Ⅶ
蔬菜類の加工に伴う核酸成分の消長

Dowexl×8 用うる大型カラム(2×30cm)によって前報に引続きヌクレオシドポリホスフェート画分について同定した。アスパラガス、スイートコーン抽出液においてATP、ADPの存在を認めた。煮出しにおいて抽出される総5′-ヌクレオチドは温度によって影響され.50℃〜60℃で5分間の時が最も5′-ヌクレオチド量が多かった。このような5′-ヌクレオチドの増加の原因としてアスパラガス、スイートコーンにおいては煮出し条件においてATP、ADPの分解に伴う5′-AMPの増加が主体をなしていると思われる。また、リボ核酸分解酵素系の作用については、ほとんど煮山し条件では認められなかった。

著者
毛利 威徳、橋田 度、志賀 岩雄
出典
東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,206-218(1967)

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