Dowex1×8を用うる大型カラム(2×30cm)によって前方に引き続きヌクレオシドポリホスフェート画分について同定した。くるまえび、あさり抽出液において、ATP、ADPの存在を認めた。
煮出しにおいて抽出される総5′-ヌクレオチド量に対しては温度の影響があり、60℃〜70℃で5分間の時が最も5′-ヌクレオチド量が多かった。このような5′-ヌクレオチドの増加の原因は、くるまえび、あさりにおいては煮出し条件においてATP、ADPの分解に伴う5′-AMPの増加が主体をなしていると思われる。
また、リボ核酸分解酵素系の作用はほとんど煮出し条件においては認められなかった。
- 著者
- 毛利 威徳、橋田 度、志賀 岩雄
- 出典
- 東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,193-205(1967)