マッシュルーム子実体の核酸分解酵素系をDEAE-celluloseを用いて分離精製し、それらの一般的性質を調べた。RNase活性(DNase活性もある)のピーク1個、PDase活性を持つピークを1個、PMase活性を持つピーク2個が認められた。酵素作用の最適条件はRNase(ピークA)ではPh7.5〜8.0温度60℃、PDase(ピークB)ではpH7.5〜8.0、温度45℃、PMase(C-1、C-2はpH4.0〜5.0、温度60℃であった。これらの結果からマッシュルームの温水(煮出し)における5′-ヌクレオチドの消長が説明された。マッシュルームとしいたけは、それぞれの酸性側酵素系の性質が異なっており、これが相互の5′-ヌクレオチド分布型式の相違をもたらすものと考えられる。
- 著者
- 毛利 威徳、橋田 度、志賀 岩雄
- 出典
- 東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,231-240(1967)