1)トマト樹のNO′3-N吸収と体内移行について検討した。
2)トマト1株は栽培期間中10〜20gのNO′3-Nを吸収するが、ある次期に吸収ピークがあった。
3)高NO′3-N 濃度の培地で育てられたトマト樹は低濃度のトマト樹より多くのNO′3-N を吸収した。
4)根に吸収されたNO′3-N すみやかに地上部に移行し、茎、葉、果梗、へたを経て果実に入る。
5)特定の根と地上部の導管は連絡されているので、特定の根に吸収されるとその根と同じ方向に着生する葉、果梗には移行するが、逆方向に着生する葉、果梗には移行しないことが推定された。
6)果実のNO′3-N 量を知る目的で葉分析する際には、目的の果実のすぐ下の果実と同じ方向に着生する葉を採取すべきである。
7)肥料が不均衡に施肥された場合には、同一株内でも成分の不均衡が起り得る。
- 著者
- 宮崎 正則、国里 進三、美谷 誠一、石川 伸、黛 乙郎
- 出典
- 東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,278-283(1969)